ラブコメばかりでそろそろ違う系列にいってみたく、第32回ファンタジア文庫大賞受賞作『スパイ教室』の1巻を読んだので感想でも。
はい、ぶっちゃけ表紙買いです。
いつもどおりネタバレは極力控えますが、まったくないわけではないのでそこは注意をお願いします。
あらすじ
いつもどおりめちゃくちゃ短く
- スパイ学校をギリ卒業した落ちこぼれ女子7人が
- 優秀なスパイだが教えるのが苦手ポンコツな男性を教師に
- 訓練し不可能任務に挑む
というもの。ここでいう不可能任務の意味が面白く「前任者が失敗した任務」という意味らしいです。ほへぇ...
表紙の凛々しい表情のキャラが第一巻の主人公。続刊を見るに表紙キャラがメインヒロインを努めると考えてよさそうです。まぁサブタイトルにもばっちり「花園のリリィ」とこのキャラの名前が入ってるので間違いないでしょう。
ただ発生する出来事は「スパイ」というのもから連想されるものよりも、「頭脳戦」という印象が残りました。帯にある「騙し合い」のほうが実態に近い。
諜報活動などをしてるのですがその部分はサクッと終わり、敵との騙し合いがメインのように感じました。面白いところもそこに集中してる印象。
あとバトル。意外なほどバトル成分が多いです。頭脳バトルでなく、ガチの格闘戦。まぁスパイだしあるよね。
一番の売りは 読者をだますこと でしょうか。ここのトリックは何書いてもネタバレになるのでこれ以上は書きません。自分の文章スキルではそこをうまくごまかして感想を書くことができません...
意外と学園モノ
もっとミリタリーテイストといいますか、シリアステイストを期待してたのですが、思ったより学園モノ でした。
女の子7人が一箇所にあつまって訓練/共同生活するんですからね。そりゃ学園モノですわ(部活ものといってもいいかも)
タイトルから連想できるかもしれませんが、暗殺教室 を彷彿とさせます。(そこそこ類似性があるので著者はかなり意識したはず...)
シリアス控えめな分、萌え成分は多いといえます。少なくとも自分の当初の想像より多かった。
女子7人の共同生活が描写されるわけですからね。そりゃそうなりますわな。
また、先生とヒロインの発言/行動にお笑い要素がかなり多い。「ドジっ子」と「天才肌の教師」から予想できることがだいたい起こると思ってもらえばOK。こういうノリ好きです。
後半はシリアス
ですが後半の任務遂行部分になると一転しシリアス基調に。要所要所で明るいシーンが挟まりはしますが控えめ。 ラスボスとの格闘バトル/頭脳バトルが始まります。
面白いんですが、ネタバレ抜きで書くのが自分には無理なのでこの程度で...タネ明かしの部分は非常に面白かった、とだけ言っておきます。
好みすぎる主人公
表紙の中央に位置する1巻のヒロイン「花園のリリィ」。この子がめちゃくちゃ好みでした... 某ブラウザアイドルゲームの長崎出身で料理上手キャラが好きな人は高確率でハマる気がします(自分のことだ)
いや、だって
- 童顔でグラマラス
- 公式に「顔/スタイルがいい」設定
- 行動力があり徹底的にポジティブなリーダー気質
- 「さすが天才リリィちゃん!」的発言とか
- Youtube公式キャラPVもそんなセリフ
- 格上にも物怖じしない度胸
- ドジっ子
- でも大事なところではビシッと決める
そっくりじゃないですか...さらにいつも〆でミスしてばかりなのに、最後の最後の大一番では決めるからかっこよすぎる。ラストのね、強敵を前にハッタリかましつづけるあの度胸。たまらん。
基本的にギャップ萌えなのでこういうキャラ大好きです。
秀逸な表紙イラスト
もう表紙がものすごい好み。トップに載せてる公式サイトのイラストを再掲させてもらいます。
可憐な少女がど真ん中にドン!左右にタイトルが大きな文字でドン!背景には危険な香りの道具類が多数。
そして少女の膝には拳銃が握られた両手...
イラストだけで興味そそられますね。美少女と道具類&拳銃のギャップ、そしてインパクトある大きなタイトル。
2巻移行の表紙もなかなかいいと思うのですが、1巻は本当に完璧(※主観です)
タイトル自体もいいですねぇ。短くて分かりやすい上、「おっ」と惹かれるタイトル。好みです。
ちょっと気になったところ
気になった点を箇条書きで
- 多少強引な展開&キャラをイメージしづらい文章
- トリック成立の犠牲になった感
- 主人公とあと一人以外、登場シーンが相当少ない
- 続刊を買うしか...
まとめ
文章も読みやすくテンポもよく、サクサク読める「騙し合いつきバトルもの」として楽しめました。
話としても起承転結がしっかりしてますしキレイに終わってるので、読了感もすっきり心地良かった。さすが大賞受賞作。
ただ良くも悪くもキレイに終わりすぎてて、続きが気にならないのも事実。2時間の映画を見終えたような感覚です。
あと続刊はもっと普通のトリックになる気がしておりそこも懸念点だったり。面白かったのでいずれ買うとは思いますが、「いもキス」のように思わず続刊を買ってしまうような衝動には襲われませんでした。
いもキスが例外中の例外なんですけどね...
とはいえ十分面白い作品だったのは事実。人に「買おうかどうか迷ってる」と聞かれたら、「買っていい」と即答します。(転生orラブコメしかない最近では貴重な枠ですし...)
出版社も気合いれてるようで、Youtubeにも豪華声優陣のPVがたくさん。こちらをみて気になるようなら買って損はしないと思います。
ではまた!