ぼっちの趣味雑記

オタクになりきれないオタク。軽度なアニメオタク+ラブライブ好き+車ゲー馬鹿。運動にはまりつつあるコミュ障のBlog

ラノベ『声優ラジオのウラオモテ(1)』感想

『声優ラジオのウラオモテ(1)』がKindleセールで50%OFFだったので手を出してみました。

いつもどおりかんたんな感想です。

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あらすじ

イマイチぱっとしない高校生声優、「佐藤由美子 / 芸名:歌種やすみ」。声優をしていることは親しい友人にすらヒミツ。
そんな佐藤にひょんなことからラジオのレギュラー出演依頼が舞い込みます。

その番組のウリが「同じ高校の同級生声優同士」のラジオというもの。しかもその相手が憧れの声優、明るくて可愛い「芸名:夕暮夕陽」。 しかし同級生にそんな人物はいないはず...

そんな中打ち合わせに現れたのが同じクラス根暗少女で険悪な関係にある「渡辺千賀」。

お互いに悪印象しかない中、ラジオ番組が始まります。

果たしてラジオはうまくいくのか、そして二人の仲はどうなっていくのか!? というお話です。


視点を変えるなら「反発系の強制同居もの(「クラスの嫌いな女子と~」とか)」の女の子同士バージョンですね。ただ同居ではなくラジオ番組。強制的に一緒にさせられるという点では似てますし、もちろんアクシデントを乗り越えながら、徐々に心をひらいていくのもこの辺のラブコメと一緒です。

大げさにいうと、「声優のガワをかぶせたテンプレラブコメ(百合)」と言えるかもしれません。


ウラオモテ、とありますが決して声優界の裏事情、というものではないです。ヒロイン二人の性格の「ウラオモテ」というところ。声優界の「濃い」事情などは期待しないほうが良いかと思います。ディープに声優業がどういう仕事をしてるかわかる、という作品ではないです。

別作品でいうなら「りゅうおうのおしごと」はかなり棋士の対決以外も描写してると思うんですよね。研究会とか地方のお仕事とか。もちろんプロになるまでの道のりはみっちり。そういう描写はこの作品では薄いです。

いい悪いは別です。個人的にはなくてもいいかなって思ってますw

根本的に自分は声優マニアでないというのがありますが...声さえあってれば中の人は誰だっていいです、はい。どんな見た目でも年齢でもいい、彼氏がいてもいい、という主義なので....


主な登場人物

  • 佐藤由美子
    • 芸名:歌種やすみ(愛称やすやす。「うたた寝休み」ってすごい名前...)
    • キャリア三年目
    • オーディション等にも受からず、イマイチ人気が出ない
    • 普段はギャル
    • もちろんお仕事中は明るく可愛い
  • 渡辺千賀
    • 芸名:夕暮夕陽(夕姫が愛称)
    • キャリア四年目(舞台スタート。声優としては二年)
    • 人気急上昇中の新人アイドル
    • 普段は根暗。ぼっち
    • もちろんお仕事中はおっとり天然系でかわいい
  • 桜並木乙女(※芸名)
    • 21歳の大人気声優
    • 歌種やすみと交流が深い
    • 出番は多くない。
  • 朝加美玲
    • 該当ラジオ番組の放送作家
    • 普段の格好がだらしない
  • 加賀崎りんご
    • やすみの敏腕マネージャー
  • 木村(下の名前が出てない...?)
    • 声優オタク
    • 夕陽の大ファン

(当然ながら?)主役二人が普段の人格と声優時の人格が真逆。普段とラジオでの人格の違いもこの作品の面白いところでしょう。


安心感あるスピーディーな展開

読んだ感想としては非常にテンポよく進んで心地よいという印象でした。展開がめっちゃ早いですね。
かつ多彩なイベントが発生するので読んでて飽きません。

まただいたい発生したイベントに対して、予想どおりのことが発生しますw これも読んでて心地よい要因でしょうね。

一方でもうちょっと密に描写してほしかった気も。
ほんの最後のほうは「ラジオ24回目」となっているので、この1巻でおよそ半年進んでます。
サクサクすすむ反面、練習シーン等の描写はほとんどなく少し肩透かし感があります。


また木村(声優オタク男子)が出番の少なさの割にインパクトある動きをしてます。 シナリオ的には不安要因として動いているとでもいいましょうか。このキャラは続刊でも活躍しそうな気がします。

しかし芸能人のプライベートを覗くのが好きそうな人物で、個人的にはちょっと苦手なキャラだったりする...ファンなら、ファンだからこそ、そこは見ないでおいてあげようや...


もちろん(?)、若干の百合要素あり。といっても手を握って顔を赤らめるとか、一緒にお風呂入るとか程度ではありますが。

ガチで百合方面を期待して買うとがっかりする可能性ありますが、個人的にはこの程度が好きです。(※2巻以降は不明)


可愛らしい挿絵&ラジオシーン

特徴的なのが各章のはじめに「ラジオの1シーン」の会話が可愛らしい枠や(NowOnAir!の文字入り!)、キャラクタアイコンつきで書かれていること。ふわっとしたラジオの雰囲気が出ていてとてもいい。もちろん、その章の会話の伏線となっている場合もあります。よく出来てるなーと思う次第

あとイラストが全体的にクオリティ高いです。可愛いだけでなく、うまくシーン・感情を描写してるといいますか。最初渡辺のキャラデザが「いもキス」の時雨っぽい、と思ったのですが同じイラストレーターさんだったとは...さすがです。


関係ないですが、最近耳の上ぐらいを垂直方向に三編みにしてるキャラが多いですね。最近ラノベを読み始めたばかりですが、読んだだけでも(未購入含む)

  • この作品の渡辺
  • 「いもキス」
  • 「転校したら昔男子だと思って~」
    • かなり下の方ですが
  • 「無理難題お見合い」
    • 普段着の挿絵で。表紙絵は違います
  • 「クラスの大嫌いな女子と結婚することになった」
  • 「友達の妹が俺にだけウザい」
  • 「どうか俺を放っておいてくれ~」
  • 「お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ」
  • 「夢見る男子は現実主義者」
  • 「あまのじゃくな氷室さん」
    • ヘアバンドのように左右に展開してる珍しいタイプ

最近のラブコメラノベに限定すれば、体感だと打率5割ぐらいでこの髪型がいるのが面白いですねぇ...誰が火付け役なんだろ?さっぱりわからん。

ブコメ以外だと見ない髪型。かつラブコメでもややシリアス路線だとまた見ない髪型。 さらに全員ヒロイン格。サブキャラで見たことない不思議な髪型です。

イラストレーターさんまで調べてませんですが、イラストレーターさんの好みなのかもしれませんね...

個人的に好きなのはストレート、ポニテ、ハーフアップ(※佐伯沙弥香)....


気になったところ

ラストがぶつ切れ... RPGでいう、ラスボスを倒して終わってしまいその後のエピローグがほぼない。これのせいで結構消化不良感があるんですよ、この作品...続きを読めということか。

あとは努力シーンの描写がほぼない。「あれだけ努力したのに...」と言われても。いや、努力してたのは行間から読めるのですが、やはりそこまで頑張ったのならその描写がしっかりほしいです。とはいえ古い考えなんでしょうね。今はそういう苦痛シーンを嫌うご時世というのはよく聞きますし(とはいえ鬼滅なんて苦痛シーン/修行シーンの塊だし、決してストレスフリー勢が多いとは思えないんですが...)


ラスト、一番気になったのがKindle限定ですが、各章の頭にジャンプできないKindleの目次を開くと

  • Cover
  • 奥付
  • END

真ん中が一切なくて、表紙の次が奥付っておいw せめて本に書いてある目次の頭にはジャンプさせてください...特にKindle端末は反応が鈍いので困るのです...

ここはなんとか改修お願いしたい...


まとめ

全体的に分かりやすく、テンポよく進む小気味よみ、そして可愛らしい作品という印象でした。作品のウリは全く異なりますが、ロシデレに近いものを感じます。平易な文体、予測通りの展開、テンポの良さ、などなど近いものを感じます。(同時に両作品とも掘り下げや描写の薄さも感じますが、今はそんなのが求められてる時代ではないですし)

百合がガチでダメとか、声優オタクは苦手、という人でもない限りオススメできる作品です。

あとはKindle目次でしょうか...ここだけは改善お願いしたいです。


しっかしネタバレを極力避けて感想を書くのって、めちゃくちゃ難しいですね...面白いと思ったシーンの感想をぼかしてしか、もしくは全く書けないのがつらい....