2025年夏アニメとして放映中の『9 -nine-』。その原作ノベルゲームをプレイしたので、魅力や物語の序盤を徹底レビューします。 ただネタバレ注意! 特に記事後半は割とガッツリネタバレがあるので、未プレイの方・アニメの先を知りたくない方はご注意ください。

0. 購入動機
購入したのはSwitch版。半年ほど前に体験版をプレイし気になってたのですが、公式サイトに「アニメ化決定!」の文字が。
「これはアニメ放映のタイミングでセールするな」というセコい思考でアニメ放映まで待ち、予想どおり安くなったので購入しました(笑)
1. ゲームの特徴と章構成
『9 -nine-』は選択肢がほぼない一本道のノベルゲーム。最大の特徴は「4章構成」で、各章ごとにヒロインが完全固定。章ごとに物語が分岐し、前章クリアで次章解放という流れです。章ごとにフォーカスされたヒロインが深堀りされ、章が進むにつれ物語の核心に迫っていきます。
オリジナルのPC18禁版は「1章ごと」に「約1年おきに」発売されていた模様。さらにアペンドディスク的な「新章」もあり計5本。各3000円程度。
一方Switch版やPC全年齢版では、4章+新章のフルセット販売のみです。

▲NewGameでプレイしたい章を選ぶ
2. 物語序盤のあらすじ:謎と異能バトルの幕開け
物語は、主人公・新海翔が親友の与一から「公園にある謎の石像」の噂を聞くところから始まります。普段はおとなしいヒロイン・九條都も珍しく興味を示し同行することに。
▲ヒロイン「都」と親友「与一」
公園で発見した石像は、まるで生きている女子高生のよう。しかも、つま先からは血のような赤い液体が…!警察の調査で、石像は行方不明だった女子高生だと判明。街には「石化事件」という超常現象の噂が広がります。

▲リアルすぎる石化像
さらに数日後、主人公の通う学校で火災が発生!炎の中心には男子高校生が!

▲生徒を中心に炎が広がる!
混乱する中、九條都が右手を光らせて謎の力を発動。瞬く間に炎は消え、謎の火災事件は解決しました。

▲紋章が浮かび上がり光を発する
九條の力の秘密は「アーティファクト」と呼ばれる不思議なアクセサリー。触れた瞬間、能力の使い方が直感的に分かるという代物です。石化事件の犯人も同じアーティファクトを使っているはず――そう確信した翔と九條は、街に潜む異能の使い手を探す調査に乗り出します。

▲九條が手にした「アーティファクト」
3. プレイ感想:懐かしの異能バトルラノベ!
序盤から謎と異能バトルがテンポよく展開し、読者をグイグイ引き込むストーリー。一昔前のラノベ好きなら懐かしいと感じるのではないでしょうか?
ヒロインx異能バトルはまさに古典的ラノベ。とくに体験版の終わりの方はバトル的な描写はワクワクが止まらない展開でした!
また体験版のあともヒロインの可愛さが印象的で、グラフィックもさることながらヒロインごとに方向性の差はあるもののイチャイチャした展開が続くので好きな人にはたまらないかと思います(笑)


SDイラストも豊富で癒やされました。本当にかわいらしいイラストが多い

こういうの好き
ここからは各章の詳細な感想
ここから章ごとの感想になります。割とガッツリ目にネタバレが含まれますのでご注意ください
1章:九條都
クラスのヒロイン的存在「九條都」がメインのストーリー。都はまさに理想のカノジョ感。社長令嬢・品行方正・成績優秀・容姿端麗・性格もおだやかで誰にでもやさしい、家事も万能とまさに非の打ち所がない。
しかも 知り合って即主人公の自宅にきて毎日ご飯を作ってくれます。いやぁ、好きな人にはたまらないでしょう

「お隣の天使様」もだが、初手毎日ご飯って惹かれるんか?自分は逆にドン引きなんですが…
ただかなり損な役回りのヒロインで、「物語の導入」で終わってしまっておりあまり深く踏み込んでいない。 ストーリーも「結局犯人わからなかったね」で終わっちゃうというなんともモヤモヤした結末。
1本にパッケージング化されているからいいけど、PC版はコレ単品で買わされるというのはだいぶキツい。
少なくとも自分なら続編は買わないでしょう。
いろいろもやっとするストーリーでした。
2章:新海天
2章ヒロインはなんと 主人公の実妹。もう出るシーン出るシーンがギャグ感たっぷりで笑わせてもらいました。なんとも生意気な感じの妹なんですが、そこがまた可愛い。
一番すきなのがこのセリフ。「可愛い妹にひれ伏せ」。この表情がまたいい

この生意気な感じと、逆にルートに入ったときのちょっとお淑やかなで切ない雰囲気とのギャップが魅力的なヒロインでした。
フィギュア化された理由も分かる…こりゃ人気でるわ
ストーリー面ではまさに「起承転結」の「承」。
多少ストーリーは進むものの、まだ「真犯人不明」って感じ。釈然としない終わりなのは一緒です。
「天の能力の代償」もまぁ定番のため予想どおりだったのもあります。
3章:香坂春風
3章は先輩キャラ「香坂春風」。
アーティファクトの力で二重人格になっており、「超おどおど小動物モード」と「女王様モード」という真逆の2つの面を見せてくれます。

個人的にこの「女王様モード」がもう大好きで…優雅で上品で気品高くて頭のキレも良くてたまらん。 普段とのギャップがより「優雅さ」を際立てています。
が、「本来のおどおどモード」での成長がテーマなので、だんだん女王様モードが減っていく…
ストーリー面では 一気にバトル描写が増えます。また真犯人がわかり、いよいよ事件の核心へとせまる…のですがいいところで終わる感じです(笑)
4章:結城希亜(ゆうきのあ)
4章は他校の女子生徒でかなり厨二な性格のヒロイン「結城希亜」。
比較的小柄な感じのビジュと厨二感満載のセリフ・しぐさ。個人の主観ですが、このすば の「めぐみん」が好きな人に刺さりそうな印象 でした。

ストーリー面はいよいよ大詰め。ラスボスとのバトルが繰り広げられ、また絶望的とも言える状況が繰り返されます。
もちろん大円団でフィニッシュです!
全体を通し気になった点(※ごっついネタバレあり)
ではシナリオで気になった面を。
正直なところ、後半にいくほど とくに4章 は疑問に感じる点が多くのめりこめませんでした。
以下気になった点です
真犯人が親友
最初の親友ポジが「真犯人」なのですが、親友なのに動機が「愉快犯」はちょっと…
裏にいるラスボスも「みんなの不幸は蜜の味」程度の動機なのがまたなんとも。
ココは相手なりに、敵なりの「正義」が欲しかった。とくに親友という重要ポジを犯人にするのなら
4章ヒロインに疑問
希亜好きには申し訳ないのですが、このキャラがトリを務めるのがちょっと不思議、というか納得できませんでした。というのも主人公は「希亜」の死を回避するために何度も何度もタイムリープし、幾度となく絶望を味わうんですよね。
知り合って1週間の他校の女子生徒のために
ライターさんが「シュタインズゲート」を書きたかったというのが痛いほど伝わってくるんですが、相手との関係性が希薄すぎて説得力にかける。
今回のヒロインでこの絶望ループに値するのは「2章ヒロインで実妹の天」だけかと。
「知り合って1週間の他校の生徒」では弱すぎし、それがグランドルートのヒロインというのはやはりモヤモヤします。せめて幼馴染ぐらい引っ張ってこないと。
メタ的なプレイヤーの存在
3章終わりにちょっとしたタイトル回収があり、アシスタント的なキャラから
「主人公たち8人と画面の向こうにいるあなたを含めた、9人 --NINE-- でこの問題を解決してほしい」
的なことを言われます(かなり端折った書き方してます)。
もうポカーンでした… 唐突に画面の向こうのキミいわれてもなぁ…しかも「9」なんてタイトル以外になんの伏線も張ってないはず…
しかも上述の通り親友が裏切ってるから8になっている…初期構想のとおりに4章をまとめきれなかった可能性がある
こちらもライターさんが「Ever17」を書きたかったというのが伝わってきます。
ただEver17はそのためにどれだけ巧妙にトリックを仕込んでいたか… そういうのナシで「画面の向こうのあなた」言われると逆に冷めるんですよね…現に4章は「主人公≠自分」になり全く感情移入できませんでした。
冗長に感じるタイムリープ描写
まぁこれはタイムリープもの全般に共通する事柄ですが、「同じテキストを何度も見る」ので飽きるんですよね…
しょうがないとはいえ、これも後半にいくにつれつらくなってきた要因です。
おわりに

そんなわけで正直なところ「異能力厨二バトル」的なストーリーを期待してた自分としてはちょっと厳しい評価になってしまいました。
しかしキャラはイラスト・ストーリーとも可愛らしく、声優さんの演技も良かったので「キャラゲーとしては優秀」なのは間違いないです。
そして執筆現在絶賛アニメ放映中。気に入ったのなら原作もプレイしてみて損はないかと思います。
ではまた!
※アニメは未視聴。ただもうネタ知ってるし見るかと言われると…
おまけ:一番のお気に入りは蓮夜くん
実は一番気に入っているキャラが、あらゆるヒロインを差し置いて男キャラの「蓮夜」くん。ちょい出番が少ないものの、めっちゃ面白くて熱くてまっすぐないいヤツ。しかもイケメン。鳴潮のブラントみたいな感じ。ほんまこういう男キャラに自分は弱い…

面白すぎる、好きすぎる。友だちになりてぇ…